WordPressと僕と終活と

どうもこんにちは、高橋でした。

Facebookやブログには書いていますが、今年の9月から悪性リンパ腫という血液のがんに罹って入院しています。6月くらいから何だか体調がおかしいなあと思っていたのですが、PCR検査は異常なしだし、近所の内科クリニックに行ったら「風邪ですね」と言われ、長らく通っていたメンタルクリニックに行ったら「ストレスですね」と言われまして。

それから打つ手がなくてしばらく寝込んでいたのですが、たまたまメールで来た人間ドックの案内を見て受けてみたら、レントゲンには大きな影があちこちに写ってるし、血液データもおかしなことになってるしでただ事じゃないと思いそのまま紹介状をもらって都内の大学病院へ。

そこで1ヶ月近く検査漬けになってようやくがんの告知に至ったわけです。

告知された時点で既にあちこちのリンパ節に病変があり、ステージ4bという状態でした。ほぼ末期に近い状態なのですが、治せる可能性はあるとのことで即入院となり、抗がん剤をドカドカとぶち込まれる毎日です。この年齢で罹患するのはとても珍しいそうですが、体力があるせいか割と強い抗がん剤にも耐えて、病変は一進一退を繰り返しながらですが少しずつ改善に向かっています。まあ、どうにか乗り切りたいところですね。

病気のお話しはここらへんで。

それで、がんの告知前のあまりにもおかしい体調変化や、がんの告知を受けたときにしばらく混乱していたのですが、ちょっとずつ落ち着いてきた時に思ったのが「間もなく来るかもしれない死に備えて何ができるか」でした。現時点では余命告知はされていないですし、今の状況だとまだそういう感じにはならないのですが、こういうことをゆっくり考えて備えておくいい機会かなと。

まず初めてみたのが、エンディングノートを書くことでした。

まだちょっとずつですが、自分が亡くなった時に誰に連絡して何をしたらいいか、契約しているいろいろな事柄をどうしたらいいか、財産状況や今後の見通しなどを記しておき、残された家族や親戚が困らないようにしておくようにしています。

あと、契約しているいろいろなことを見直しました。
お金がかかっているものもそうでないものもすべて洗い出し、要らないものは解約したり、プランを見直して必要最低限のものにしたり。契約が継続しているものは前述のエンディングノートに書いて、これがどういう契約なのかと、解約するにはどうしたらいいか、ということも書きました。

で、色々整理しながらちょっと迷ったのがWordPressで作ったウェブサイト。
テスト環境は一旦消したのですがやっぱり色々試してみたいですし、自分のブログも残しておきたい。ブログはnoteとかアメブロとか、お金をかけずにずっと残しておけるサービスは世の中にいくらでもあるのですが、自分はやっぱりWordPressが大好きだし、ずっと触れる環境は残しておきたいと思ったわけです。

探してみると無料でWordPressが使えるサービスはいくつかあったものの、ほとんど聞いたことのないサービスでしたし、何よりも広告が勝手に入るとか、あと、サービスがいつ止まってしまうかもわからない、などと躊躇してました。

それでまず行き着いたのが、Shifter( https://www.getshifter.io/ja/ )というサービスでした。
つよつよなWordPressデベロッパー界隈の方にはそこそこ知られているサービスだと思うんですが、一応解説するとWordPressのデータをもとに静的なHTMLなどを生成し、それを公開してくれるというものです。WordPress自体を動かすとウェブサイトを参照したときに裏で色々な処理が動くので表示スピードが遅くなる(改善する方法は色々ありますが)ことがあったり、WordPress自体、あるいはプラグインなどのバージョンによってはセキュリティリスクを抱えてしまう、ということがあるのですが、その辺りのリスクを全部解決してくれます。

静的なデータを作るのにはある程度操作が必要なので、頻繁に更新するウェブサイトにはあまり向かないのですが、広告からのランディングページとか、企業のコーポレートサイトあたりにはピッタリのサービスです。WordPressのテーマ(Snow MonkeyやLightning)を活用し、Shifterで爆速ランディングページを作る試みをしているミートアップなども開催されているので、興味があればぜひ覗いてみてください。

で、なぜ僕がShifterがいいなと思ったかというと、無料プランがあるからなんですね。
終活にも関係するのですが、有料プラン(他サービスも含めて)だとどうしても継続的にクレジットカードから決済されてしまうので、僕にもしものことがあったときに対応が難しいです。
妻はITには明るくないので、たぶん解約のしかたもわからないでしょうし、そもそもWordPressとかShifterってなに?みたいなレベル(だと思う)ので、その辺の負担もかけたくないなって思ったり。

このShifter、無料プランだともちろん容量や転送量は少ないですし、独自ドメインも使えないとか色々制限はあるのですが、僕のブログなど大してみられる訳でもないですし、十分実用に耐えうるのかなと思いました。

それで試しにブログを移行してみたのですが、やっぱり爆速でウェブサイトが表示されるのはとても気持ちいいものですね。

そんな感じでShifterを使っているわけですが、ここでこの文章を終わってしまうとサービス提供元(デジタルキューブさん)の儲けが全くなくなっちゃうので一応フォローを。

もし、無料プランを使ってみていいなって思ったら、ぜひ有料プランでの本格運用も検討してみるといいです。特にサイト制作者さんは、数クリックで手軽にWordPress環境が作れて、テーマを載せてしまえばドカドカと爆速ページが作れてしまうので、広告キャンペーンを大量に作るB2C企業とか、コーポレートサイトの受託に提案するプラットフォームとしては第一選択にしてもいいんじゃないかなと思います。セキュリティリスクも軽減されますし。
月18ドルから使えるので、よろしければぜひ。

ちなみにちょっと後日談的な感じですが、Shifterで独自ドメインを使わない場合、静的サイトを出力したときに、robots.txtに

disallow : /

という一行が追加される仕様があることがわかりました。つまりこれは、検索エンジン(Google)に対し検索対象からこのサイトを外してね、ということになるので自然検索からは見えなくなってしまいます。まあ、無料プランは転送量に限りがあるので、その辺りは仕方ないところですね。

もう一つ後日談(2021.12.25追記)
前述のrobots.txtの件について、デジタルキューブさんの公式アカウントから情報をいただきました。

ということなので、公開用は独自ドメイン、フリートライアルやテストはShifterのドメイン、と分けて運用するのが良さそうです。

そんな感じで、また。

この記事を書いた人

Osamu Takahashi

悪性リンパ腫 / 上級ウェブ解析士 / 初級SNSマネージャー / GAIQ / ITコーディネータ / デジタルマーケティング / WordPress / WP ZoomUP / デレマス / 明日やれることは今日やらない / 執筆「1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本」
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